霊界主導による霊的真理の普及活動
ニューヨーク州ハイズヴィルに鍛冶屋のジョン・D・フォックスとその妻、姉妹のマーガレットとケイトが移住し、1848年3月31日の夜、その家では壁を叩く音(ラップ)や家具を動かす音などが聞こえたことに端を発し、姉妹はその見えない存在(霊)に対して、手を叩き通信することでその霊との会話を試みる。やり取りを通してその通信霊が、殺されたチャールズ・B・ロスマという行商人であり、5年前にかつての住人ベルに包丁で喉を切られ、地下室に埋められたことが分かった。後に廃屋から物証が見つかったことで事件が立証される。いわゆるハイズウィル事件である。
このハイズヴィルでの現象は、霊との交信が可能であることを明らかにし、学者や知識人の関心を引くこととなった。科学的検証も行われ、「死後も個性は存続し、霊の世界が存在する」ことを証明した。そしてその後の「心霊ブーム」の道を開く礎となり、スピリチュアリズム思想が地上世界にもたらされる土台となったものである。
その後、姉妹に触発される形で各地に心霊現象を起こす霊媒が次々と現れ、現象も自動書記や直接談話等へと種類を増やしていく。このようにアメリカ社会で一大ブームを巻き起こした後、この霊的潮流はイギリスに上陸し、著名な科学者を巻き込んで更に大きく発展していく。
ここ日本においても透視能力に優れた御船千鶴子、念写能力を発現した長尾郁子などが注目を集めることとなった。
このように“死後の魂の存続”や“死後の世界”という霊的事実が地上世界に広がった背景には、霊界主導による組織的で継続的な働きかけがある。
そして現代はどうだろう。
インターネットの普及により、テレビに代わりYouTubeなどの動画が多く見られるようになった昨今、最近よく目にするのが、いわゆる「心霊系動画」の類いである。
大体が視えたの視えないの、聞こえたのどうだのと現象について語っていたり、またそれを考察分析したり、中にはオカルトっぽく恐怖心を煽るようなものが多いのも事実。しかしいずれにしても、どれも再生数の多さにびっくりする。これは、多くの人が目に見えない世界や存在を何かしら意識し、また興味を抱いていると言えるのかもしれない。確かに一昔前のように、科学しか信じない!というような真っ向から否定する人はあまり見かけなくなったような気もする。
おおかたは霊的世界を信じてはいないが、もしかしたらあるのかもしれない…といったようなところだろうか(笑)
入り口やきっかけはどうであれ、肉眼で見える世界だけではない別の世界が存在することを多くの人が意識する…これも霊界主導による霊的真理を普及させる計画の一端なのかもしれない。
そして霊的真理は、その時代時代で、また使用する媒体によって伝えられ方は変化していくが、いずれにしても、一度もたらされた霊的真理は永遠に地上世界から消えることがないのは確かであって、この先も、霊界からどのような働きかけが成されるのか楽しみである。
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